第一回 ヘリコバクターピロリ菌と胃十二指腸潰瘍、胃癌の関係
はじめに)
1983年に胃の中にヘリコバクターピロリ菌がいることが発見された。
この菌が胃炎を起こしさらに潰瘍や胃がんの原因になる。
現在、ピロリ菌の検査は、潰瘍の存在が前提。
ピロリ菌の検査には、内視鏡で行う検査の他に、血液検査、尿検査、便検査、呼気検査などがあります。
検査)
現在、ピロリ菌の検査の前に、まず潰瘍の有無の検査をする必要があります。その上でピロリ菌の有無の検査をすることになります。潰瘍の有無については胃内視鏡かバリウムの検査を行います。ピロリ菌の検査には、内視鏡で行う検査の他に、血液検査、尿検査、便検査、呼気検査などがあります。
治療)
PPIと呼ばれる胃酸分泌抑制薬と2種類の抗生物質を1週間併用します。
除菌成功率は80%前後と考えられています。
除菌の副作用)
軟便、下痢が約4割、味覚異常が約2割です。
ごく稀(0.1%前後)に腹痛や発熱を伴う出血性のひどい下痢症状が出る方も。
この場合はお薬をやめて、主治医あるいは薬剤師にご連絡下さい。
胃癌との関係)
世界保健機構(WHO)の国際癌研究機関では1994年、ピロリ菌を「確実な発癌因子」と規定している。
現在40歳以上の日本人の約80%はピロリ菌を持っているといわれている。
これは欧米と比較してかなり高い保有率。